今回はゲスト講師による講演でした。

 

ISFnet(NPO法人FDA) 成澤俊輔さん

1985年佐賀県生まれ。網膜色素変性症という視覚を徐々に失う難病を抱えながらも、埼玉県立大学保健医療福祉学部を7年間かけて卒業。

大学在学中に2年間の引きこもりと決定的な挫折を経験する。就学の傍らインターン生としてベンチャー企業に勤務。世界一明るい視覚障がい者として、2009年に独立。

障がい者雇用に関する、コンサルティングやイベント企画で全国を飛び回る。2011年12月1日よりNPO法人FDAの事務局長に就任、現在は理事を務める。

就労困難者に就労に至るまでのトレーニング環境を提供している。2013年4月にウィルス性髄膜炎とてんかんを患うが、1ヶ月半後見事に奇跡の復活を遂げる。新たな病気を使命ととらえ、今日も一人でも多くの就労困難者を救うために奔走している。

 

 

成澤様の講演から

【生い立ちから現在に至るまで】

 

難病に気づいたのは3歳のとき。

23歳で失明。目が見えなくなって一番困ったのは「自分で自分が分らなくなった」ことだった。自分が見えない。自分の存在が確認できない。確認するクセで、自分の手や顔を頻繁に触り、手の甲から出血していた。目が見える人にも、これと同じ状況があるんです。社会の中で、自分の存在価値がわからない、自分の役割がわからないと感じている人は、同じ状態だと思います。

 

・よく「目が見えないとは思えない」といわれる。
通常、目が見えない人は相手の方ではなく、あさっての方向を向いて話をしているでしょう。
目が見えないと、眼球を動かさなくなり、目線も動かなくなってくるものなんです。私は見た目の印象は大事だと思うし、相手の方を向いて話したいので、目線を相手に向けるトレーニングをしました。

 

・「世界一明るい視覚障害者」の由来
私の病気は、だいたい40歳から50歳で完全に光が見えなくなるといわれています。今を明るく生きることで少しでも長く光を見ていられるのではないかと思いました。だけど最近はそれも変わってきました。神様が「お前はまったく見えなくても明るくいられるから、いつ見えなくなっても大丈夫だな」ということもあるかもしれない。

 

・IPS細胞は、私の病気にいちばん効果があると言われているので、いろんな人が新聞記事とかを持ってきてくれる。「これで治るね」と。でも、目が見えるようになりたいとはまったく思わない。見えなくなっても、今の方がずっと幸せです。今がいちばん幸せです。

 

 

【現在の仕事、ライフスタイルについて】

 

仕事は主に3種類
1、障害者の雇用コンサルティング
現在20社程度。ただし広報や人事に丸投げで社長が出てこない会社の依頼は受けない。

2、当事者、および家族との面談(年間1500組ぐらい)
精一杯取り組んでも、自殺する人は出る。約束の日に電話したら、母親が出て「お世話になりました。○○は亡くなりました」といわれた事もある。

3、講演活動
年間120~130本くらい。

 

【自分の使命の1つは、引きこもりの人を就労に結びつけること。】

2015年の夏にテレビ出演の機会に恵まれた。ニュース番組内の2分程度の特集でテーマは「中高年の引きこもり」について。
毎日午前2時に起床している。メンタルが不安定な人は午前2時~5時ぐらいに不安になる事が多いから。メールや電話の数が増える為、すぐに対応できるよう起きている。

 

・採用では履歴書を見ない。履歴書を採用基準にしたいようにしたら履歴書を書けない、書きたくない人たち(学歴や生育環境にトラウマがある人、犯罪歴などがある人など)が集まってきた。

 

・アスペルガー症候群の子を持つ母親の言動で気づいたこと
面談時、気分が高揚して水洗トイレの水を50回くらい流した子がいた。その子の母親が「申し訳ありません。この水道代、いくらお支払いすればいいでしょうか?」と言った。いや、そんなの換算できないですしね。でも、その時思ったんです。「障害者の親って、頭を下げることとお金を払うことしかしようとしていない」と。

 

 

現在の「25大雇用」は、当初は「5大雇用」からスタートした。来年からは「30大雇用」になる。
就労困難者の悩みは3つある。
1、毎日通えるか?
2、自分にできる仕事があるか?
3、自分が働ける環境があるか?

 

仕事の種類は、大まかに6つのグループに分類できる。
1、パソコンを A使う B使わない
2、働くときは C主に単独 Dチーム
3、手順などに Eマニュアルがある F自由度が高い
様々な仕事を、これらの分類に分け、個性や適正を見てマッチング。

 

 

 

質疑応答から
Q、どうすれば、自分の決断や仕事に自信を持つことができるでしょうか?
A、まず「どういう状態が自分にとって自信となるのか?」を、明確に決める事が必要だと思います。例えば僕の場合なら「自分の部下が辞めないこと」が自信を持てる状況です。
次に目標が決まってもそこまでの「階段の上り方」がわからない時期があります。そこは「シャドーイング」です。誰か上ったことがある人と、一緒に上ること。

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いい会社第61回大阪関西勉強会アンケート結果

どの様な点がご満足ご不満でしたか?

・話がとても聴きやすく、あっという間の時間でした。人に優しくなれる様に意識、行動します。
・MCが素晴らしい。全てが(空気感、内容、マイクのトーン)まで良かった!
・成澤さんの話がすごく良かった。
・「変わりたい」と思える人と仕事したい。実現したいと思います。
・とても感動的なお話でした。元気をもらいました。
・真の強者のお話しを直に聞かせていただくいい機会をありがとうございます。
・すごく良いお話を聞かせていただきました。ありがとうございます。
・成澤さんの25大雇用、就労困難と言われている人達を、履歴書を基準にせず採用されているという話には本当に驚きでいた。同時に、本当の意味での障害者って何だろう?と考えさせられました。仕事に就くことが難しい人達も、仕事をする機会に恵まれれば懸命に働く。一方で働く場所と仕事があったとしても惰性や慣れ合いで生産性の低い健常者もたくさんいます。どちらがやりがいを感じて働いてくれるか社会に貢献しているか?と問うと「健常って何だ?」という気持ちになります。
・成澤さん、とても感想は言い尽くせません。あまりにも驚き、感銘が多すぎて。全ての社会人これから社会に出ようとしている人に、今日の話を知って欲しいです。ありがとうございました。
・自分の知っている世界が狭いと痛感させて頂きました。
・成澤さんのお話、深く素晴らしかったです。牧野さんが昔おっしゃった行動出来る社会人になりなさいという事を実践しているのが素晴らしいです。
・障害者雇用に対する考え方が変わりました。全てを受け入れる雇用(25大雇用)は素晴らしいです。
・感動しました。成澤さんが行われている活動、生きる姿勢、学んだ事を自分の生き方にします。
・遅れて参加しました。機会あればじっくり成澤さんとお話してみたいです。親父に愛されている母親に愛されているお言葉が心に響きました。
・成澤さんのお話は厳しい体験なのですが、本当に明るく楽しく話しをして頂きさわやかな気持ちです。
・私自身がとてもネガティブなので今日の成澤様の話を聞いて、頑張るというより自然でいいんかな?と思いました。