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2017年9月11日 株式会社きものブレイン様訪問 感想文

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20代、女性、学生

 9月11日に訪問させていただいた「きものブレイン」さんは「きものから新しい市場を創り出し、社員全員が参加する経営で成長し続けている」会社、という印象を受けた。
きものブレインの本社がある十日町は、積雪期間の農家の副業として養蚕が古くから盛んな地域であり、明石ちぢみという織物でも有名である。しかし、ピーク時560億円もあった工業出荷額は、2013年には40億円を下回ってしまった。きもの市場全体としても、年々縮小していっているなか、「きもののアフターケア」という新しい市場を開拓したのがきものブレインである。アフターケア業界に参入してくる会社が増えると、他社との差別化として、染み抜きから仕立てまでの工程を一貫して行うワントップサービスを導入。これによって、平均納期の大幅な短縮と、加工コストの30%を削減することに成功した。このほかにも、「しあわせガード」という撥水加工やそれに伴う5年間無料で手入れをするサービス、きものを保管し、顧客がネットで確認・選択したものを指定した場所に配送する「RAKURA」など、新しい商品・加工の種類を増やしていった。現在は、新たなシルク産業の創造ということで、通常の白い繭の約2.5倍の健康成分を含んだ天然素材、「緑繭」を素材としたサプリメント・コスメティック・ファブリック(織物)の製品を展開予定である。
また、きものブレインは障がい者雇用にも積極的な企業である。様々なハンディキャップをもった人々が働いているきものブレインでは、彼(女)らが安心して働ける職場環境をつくり、能力の向上を図るために「障害者支援委員会」というものを設置しており、より多くの社員が支援経験者となるようなシステムとなっている。実際の仕事においても、一人一人にあった仕事をつくり、各々が活躍できる場を提供している。
さらに、昔からきもの産業の担い手であった女性はきものブレインでも多いが、その中で管理職になる人も多数いる。また、新卒の採用も積極的に行っており、日本画や古美術を複製する技術を学んだ人からの応募は特に多いそうだ。
加えて、2013年にタナベ経営の5S・VM(Visual Management)を、2015年にきものブレインのフィロソフィーを、2016年には京セラで行われているアメーバ経営を導入することで、社員全員が参加の経営を目指している。これらを導入したことで、参加意欲のあまりなかったパートの参加意欲を向上させ、残業を減らす工夫などのアイデアを出すようになったり、アメーバのリーダーとしてアメーバを引っ張っていったりするような方もいらっしゃるそうだ。
実際に、作業をしていらっしゃるところを見学させていただいて感じたのは、挨拶などの教育が行き届いている、ということだ。私のバイト先でも、お客様がいらっしゃったときは作業を止めて、その方向に身体を向けて挨拶するということになっているのだが、来客が不定期なうえに指導が入る回数も年に数回程度なので、徹底できていないのが現状である。サービス業でこのありさまなのはどうにかしなければいけないのだが、だからこそ、行く先々できちんと礼をして挨拶していただけるのはうれしさとともに感動をおぼえてしまった。30人強の組織でできていないことが、200名を超える企業でどうしてできているのか。一つは、組織構造がしっかりしていることで、情報の伝達がうまくいっている、ということが考えられる。それぞれの部門の中にアメーバがさらにあればリーダー間で情報を共有し、それを各アメーバに伝達することで、一人一人に正確に情報が伝わり、また間違いなども訂正しやすくなる。もう一つはフィロソフィーを毎朝唱和することで会社の方針を再認識することができる、ということだ。これにより、自分は会社の一員なのだという自覚が芽生え、社員全体の一体感も生まれやすくなる。
だが、新しいことを導入するというのは、そう簡単なことではない。特に、現状に満足しているからすれば、やったところでうまくいくかわからないことは不安でしかない。きものブレインでも、タナベ経営やアメーバ経営を導入する際に反発が起きなかったわけではないだろう。しかし、すごいのは、実際にきものブレインを去ってしまったのがわずか一人しかいない。これについて、社長の岡元氏は、それらより以前から行っていた障がい者雇用がよかったのではないか、とのことだった。自分と違う考えでも、それを受け入れようとする余裕が常から鍛えられていたのだ。確かに、何でも頭ごなしに否定するのではなく、どうしてそれがいいと思うのか、相手の話を聴いて理解しようとするのは大切なことである。それでもどうしても相いれないとなれば仕方ないが、最初から話を聴かないのとは違う。これは、何も企業の経営だけに言えることではなく、日頃の生活でも当てはめることができると思う。私はどちらかというと頑固だと言われる方であるので、意識していかなければならないと感じた。
また、岡元氏はまだ十日町が今ほど衰退していなかった時期から、現在の様子を予想し、将来どうすればよいか想像していらっしゃったそうだ。現状を正しく分析し、未来を予測するのは難しいことだが、私も、現在のことだけでいっぱいになるのではなく、余裕をもって、将来の計画を立てていかなければならないと感じた。


(40代、男性、会社経営者)

■全体の感想
「着物を洗う」というニッチな市場を開拓され、それに付随する事業展開で拡大し、十日町市活性化のため仕事づくりに励んでいるお姿に感銘いたしました。
300名近い雇用を生み出し、立派な新社屋を築き上げたにも関わらず、謙虚な態度で若輩者の私にでもしっかり受け応えしてくださいまして、心から感謝しております。
ぎっくり腰しも関わらず会社案内から工場見学までしてくださいまして本当にありがとうございました。そして、元気の良い社員さんの挨拶は、とても気持ち良かったです。
「徹底されていますね」と私の質問に「いえいえまだまだ温度差がありますよ」と正直に隠さず問題点を言える器の広さを感じました。

■学んだこと
・創業時、同業者から反発をされながらも折れない信念。それが現在のフィロソフィーになり社員さんと共有できているのだと思いました。2年かけて読み合わせすることで徐々に成果が出て来た。とおっしゃっていました。やはり社風、社員さんの意識を替えることはとても時間と労力がかかることなのだとあらためて思いました。まさに今私がその状況であり理念、方針の共有に焦りは禁物で、大切なのは理念、方針を共有することで将来どんな会社になって、自分の生活がどう変わっていくのかをしっかり見せてあげることだと思いました。
・事業が拡大する中で様々なご苦労があったかと思います。その苦労を一切感じさせない器の大きさを学びました。会社の大きさは経営者の器の広さを表すと言いますが、その通りだと思いました。まだまだ器が小さい自分自身に気付きました。どうやって器が大きくなるのか?それは、果敢に挑戦し続けることで築き上げられるのでないかと思います。私にはまだ挑戦が足りません。経営者になってほんの3年目。これから色々なことに理念を軸に果敢に挑戦していきます。
・「人員整理しない会社を目指す」社長がご報告の際に何度も言葉にしてらっしゃいましたおことば。当社も電子部品事業をしている時は、まさに人員整理を毎回するような会社でした。それを脱却し自立型企業をつくりたいと想い、食品事業部を設立し今に至ります。事業を拡大する中で、必ずこの原点に帰り盛和塾で学び実践されているお姿に感銘しました。やはり経営者はつねに学び続けなければならないと実感しました。
・社長の発想→開発→市場へ この流れに危機感を感じもっとみんなから発想が生まれる会社にしなければいけないと思いフィロソフィーやアメーバー経営を導入し一般主婦の社員さんからも改善案などが上がってくるようになった。
事業拡大には、まず足元を固める。そして全員参加の経営を目指し「きもの文化村」を成功させる。1つ1つの言葉、夢に共感しました。
・十日町人口が6万人から5万人に減少、高齢化も凄まじい勢いで進む中、きものブレインは、平均年齢37歳、278名もの雇用を生み出し障害者の方も27名ほど雇用され地域に大きく貢献されている。
・一貫加工(ワンストップサービス)をビジネスモデル化している工場を見学させていただき当社が目指しているイメージが湧きました。生産性をあげるために取り組んでらっしゃるところや見える化など参考にさせていただきます。
・お客様のニーズを事業に変え、疑問を解決するために事業化する。地味な仕事を積み重ね売上を伸ばす。

■まとめ
社長の創業の想いと私が食品事業を引き継いだ想いと同じ、そして私の目指すビジネスモデルとたくさん同じところがあり大変刺激を受けました。本当にありがとうございました。まだまだこれから私自身学び実践し自分自身を磨いて行きたいと思います。


(50代、女性、経営者)

今回の訪問地は新潟県。
東北の地、首都圏から離れている、雪深く冬が長いなど、地方都市として何かと課題に挑みながらの会社経営なのでは、と思いながらの新潟訪問だった。しかし、どの会社も、その土地の持っているいい物を見い出し、大切にし、そして最大限にいいものにして発信しようという使命を持ち、地元に根差し活動している会社だった。

=株式会社きものプレイン=
低迷する着物業界で「アフターケアー」という、“文化”を確立した、と感じた。
日本の伝統である和服は、かつては日常着であり、時代と共に贅沢品になり、その後低迷の一途をたどっていった。
その中での起業。岡元社長が独立した際、心に決めたいくつかのこと。
その一つが、「人員整理をしない会社に!」だった。当時働いていた会社で、リストラの担当になり多くの仲間を解雇してきた切ない想いが、その後人を大切にする経営に結びついている。
そして、関わってきた業界、「きもの」にこだわり続けること。
売ることに行き詰ったこの業界で、それを憂いたり何とか売る方法を考えるのではなく、着物を大切にし着てもらうことこそがその業界の発展であるとの認識であろう。
新しい市場を創造し挑戦している岡元社長は「寝ても覚めても、着物のこと消費者側のことを考える」と話される。「次々にアイディアが湧いてくる」とのこと。
その大きな結果が、業界発のワンストップサービスのビジネスモデルの確立である。
準備・着付け・着装時・手入れ・管理、と着物は数々の手間がかかり、現代の生活のテンポでは、なかなか日常に取り込むのは難しいかと思う。それを現代のシステムを取り入れながらすべてを管理する、という消費者さえ気付いていなかったニーズを作り出している。また、着物の工芸修正など日本文化の技術を伝承する若者などを新潟に集め、地元十日町できもの文化を復活させていることは、きものブレインの地元愛の大きさと真剣な取り組みの賜物だと感じる。
20年30年先を見据えて“きもの文化村”設立や“絹生活の研究”などに取り組んでおられる岡元社長。先を見据える力と突き進む勢い、戦略や経営展開は詳細に考え、人と土地とものに繊細な想いを込める。また、遠く将来に目を向けているが、目の前の一つ一つのことへの注目も怠らない。この器の広さが、きものブレインの発展に繋がっていくことだと確信した。

地方では、地域活性化に目を向ける時、とかく「ここには何もないから」「〇○がないから」などと口にしがちだが、3社とも「新潟には〇○がある!」との思いで、それぞれが着目した物を軸にそれぞれ事業を進めていて、どれもがまさしくこの土地で生まれた会社だと感じた。
また、現状や将来の事業の進め方に、業界と社長の個性の違いがそれぞれに感じられて興味深く会社訪問を終えた。


(60代、男性、専門家)

●はじめに
  呉服業界に訪問するのは初めてで、この業界は衰退産業だろうなとの思い込みがあった。しかし、新潟の十日町市にこんな元気な会社があったとは驚くとともに感動的な訪問となった。
 以下岡元社長からの話をお聞きした感想と製作現場を見学させていただいた感想を整理した。
●岡元松男社長の説明で伺った記憶に残った特徴的な事。
1. 十日町について
合併したが、現在57千人と10年間で1万人減少。工業出荷額がピーク565億円に対して2013年には40億円を切る。いかにこの地域では倒産と人員整理が多かったがわかる。
2. きものの新しい需要を創造「きもの業界の常識は消費者にとって非常識」を正すチャレンジ
(1) 業界で初めてアフターケアの事業化
当時の消費者の要望や声と業界の常識とずれていた。当時の消費者の声は「きものを着て汚してもお手入れが出来ないため、大切なきものを汚さないようにできるだけ着ないようにしている」とそれがきもの離れの原因だった。ある時500円玉のシミのお客様からしみぬきの要望、ある専門家との連携と協力で解決してあげると全国の茶道の和服利用者1000人を紹介が広がり、次から次へと依頼が来るようになった。1991年バブル崩壊後呉服店の売上が一気に50%ダウン。危機感をもった呉服店から依頼が殺到し、きものは新規購入よりアフターケアのニーズがどんどん増えてきた。アフターケアの夜明けとなった。その後、業界で初めて一貫加工によるワンストップサービスのビジネスモデル確立や消費者目線で商品・加工メニュー開発の取り組みとして業界初の5年間無料アフターケア保証「しあわせガード」、きもの虫干し保管サービス「RAKURA」開発など
(2) 新しい市場を創造する挑戦として
水で洗える正絹「ふるるん」;繊維改質技術から生まれた新商品(ものづくり日本大賞;経済産業大臣賞受賞)や業界初の「総合電子カタログ」;加工実例、裏地総合、仕立付属品、きもの回り商品、オリジナル開発商品など3年間で500アイテムを掲載予定など
3. ダイバーシティ企業(多様な人材が活躍できる職場)の取り組み。岡元眞弓副社長の情熱とのこと。
障害者雇用については障害者が活躍する職場づくりそれは少数の専門家より、大勢の素人集団が支える社内システムづくりに取り組んでいる。社内の支援ネットワーク「障害者支援委員会」設置し、障害者が働きやすい職場づくり。しかし今では社員啓発の重要な手段にもつながっている。2016年7月現在27名の障害者を雇用している。実雇用率は13.75%(法定は2%)
女性活用について、きもの産業は昔から女性が担い手。約70%。女性管理職の多数登用による効果として教育によって意識が変わり、働く意欲アップ(幹部候補生スクール)、責任と同時に権限を与えることで成長、部長6名中3名が女性、課長10名中6名が女性。
4. 全員参加の経営を目指す(自律型のチームの育成)
2013年5S・VM(ビジュアルマネジメント)を導入や目標総括表(結果)、目標管理表(プロセス)、目で見る管理(日常業務)、ILUO(スキルマップ表)及びスキルアップ計画、職場の役割・使命の見える化。2015年きものブレインフィロソフィー導入、2016年京セラアメーバ経営を導入;アメーバリーダーはアメーバ経営者。全社員がアメーバ経営に参加する。
5. 新たな成長戦略;地場産業50億円企業への挑戦
人口減・高齢化・過疎化(3重問題)する地方都市で、地域と共に成長する。「シルク産業・文化都市十日町を目指す」1400年の歴史の織物きもの産地、豊富な温泉資源、おいしい食(コシヒカリ・ヘギソバ・山菜)、越後妻有アートトリエンナーレとのコラボレーションを考えている。
(1) 新たな「きもの文化村」構想とは(きものブレイン夢ファクトリー)
当社の成長戦略;3工場を1つに集約し生産能力効率化アップ、新型加工設備導入と産業観光として全国のきものファンが一度は訪問、一般観光客受け入れ、大地の芸術祭とのコラボである。無菌人工給餌周年養蚕事業:東京農大長島教授、京都工芸繊維大松原名誉教授と連携。
(2) 新たなシルク産業の創造
みどりまゆの特産化とブランド化として、安全安心な作り手の見えるシルク製品をカテゴリーを超えた「健康になるコト」「美しくなるコト」の「コト売りショップ」を国内展開
6. 新工場夢「ファクトリー本社工場」視察
新工場は2階ワンフロアーで工程ごとに区分管理(ゾーニング)されており、見学者が部門に近づくと従業員が一斉に立ち上がって挨拶して迎え入れていただいた。挨拶教育の徹底ぶりをうかがうことが出来た。現場では機械類は写真撮影禁止という。それほど技術が特別に詰まっているのだ。アイロンがけの従業員さんは丁寧に作業内容を丁寧に説明していただいた。1日数十着も加工するという。着物のクリーニングや修復、縫製や出荷まで一貫した流れを説明していただいた。顧客からの受付から一連の流れで設計されていた。ワンウエイの管理が出来ており効率化が図られていた。各工程(部門:アメーバ)ではVMの結果とプロセスがボードに張られており、パンダさんの図柄で達成状況が全員一目で理解できる仕組みとなっており、アメーバ経営の一端を拝見できた。みなさん生き生きと仕事に取り組まれ、フィロソフィーなど理念経営や全員参加型の経営が効果的になっていると感じ取れた。
●感想とまとめ
1. 呉服産業が衰退傾向にあって、このアフターケアなど革新的な事業への取り組みと更なる成長戦略の取り組みは、逆境こそビジネスチャンスだということを現実に社長自身が証明され、直接説明を受けたことに感動を覚えました。
2. 特にお客様の悩みや問題に徹底的に接近し、高度な技術でもってしみ抜きなど解決提案し、新サービス(加工)を生み出したことは素晴らしい。業界目線ではなく、お客様にお役立ちという商売の原理原則こそが事業革新を創造し、持続可能な経営につながることを再度理解できました。
3. 岡元社長の会社の成長と存続は従業員の幸せや地域の持続を一番に考えてのことで、そのため24時間考えているという。過去よりも未来だとのこと。20年後を考えているとのこと。このような社長だとみんな一生けん命働くだろうと思いました。無論、副社長(奥様)の推進によるダイバーシティ経営など具体的になっているのが素晴らしい。社長も述べられていましたが奥様との両輪経営(夫唱婦随)が重要成功要因なのではと思われました。
4. 数年前から事業継承のためVM(ビジュアルマネジメント)を導入、フィロソフィー導入、京セラアメーバ経営されているが、自社の仕組みとして定着できるかどうか期待されると思いました。
5. 何といっても成長戦略のビジョンは素晴らしいと思いました。しかし、「緑繭」を素材にした新規事業にはリスクも伴うものと思われます。乗り越えて成功されることを期待して、発売されれば利用させていただきたいと思っております。
岡元社長はじめ社員の皆様の熱心なご説明とご案内ほんとにありがとうございました。


(50代、女性、会社員)
                                                 
岡元社長
この度は、お忙しい中、また、足の具合がよくない中、長時間に渡ってのご講演とご案内を頂きまして、大変ありがとうございました。

訪問前に予習した時には、「きものブレイン」は、「きものに関するお仕事をなさっていて、数々の受賞歴があり、障がい者雇用を推進し、地域にとても貢献している会社である」という認識で止まっており、アフターケアという言葉を見ても、あまりピンとくるものがありませんでした。それほど、私の生活の中で「きもの」というものが遠い存在になっていました。

ところが、岡元社長のお話しを伺うにつれ、これはすごいサービスだ!お客様の僅かな困ったにも丁寧に対応していて、更には、きもの文化そのものへの貢献は計り知れないことに気づきました。

また、地域の未来を見据え、きもの文化村の構想と情熱を何十年も保ち続け、一歩一歩実現されているところにも敬服致しました。
お話しの中で「〇〇でいいのかな?」という言葉が何度も出てきて、現状に対して常に在りたい姿を考え、何が本当に必要なことなのかをきちんと考えて、明確にされて進んでいっているところが素晴らしいと思いました。
またここから、「何をどのように、どの立場から構想するのかが重要」だということに気づきました。

絶対に流されず、何ごとも自分で考えて、納得したものだけを実現させていく、という在り方に強さを感じました。
何かを思い描き、それに向かっていると、目的に固執してしまい、「なんのために」の部分が薄くなってしまうことがよくあります。岡元社長は、その根本的な部分に全くブレがなく、経営理念をどんどん実現されていると思いました。

工場内を見学させて頂き、社員さんたちの仕事をする姿にも感動致しました。無駄話をしているような人は一人もなく、それでいて目を吊り上げてギチギチと仕事をしているわけでもなく、緊張感をもって真剣にお仕事をされていて、ゆるみがないと感じました。
更に、特に忙しそうな部門には、仕事のやり方への大きな改善を進めていて、社員さんたちの負荷の軽減だけではなく、それがお客様にとっても良いものであるよう、自社都合だけの改善ではないこともすごいと思いました。
社内改善は、ともすれば、内向きのものになってしまうのに、社内にも、お客様にも、更にはきもの自体にも良くなることを進めていて、三方よしの考え方を学ばせて頂きました。

私はきものを着る機会がとても少なく、あったとしても洋服を選んでいました。母の着物はあるものの、どういう種類や柄があるのかを知らないですし、実家に取りに行くのも面倒です。
母に相談できるうちはまだいいですが、今後のことを想像すると、「たんすのこやし」どころではなく、いかに手離すかという次元にあると思いました。
けれども、御社の「RAKURA」という保管サービスがあれば活かすことが可能になるな・・と感じました。
もう一つ問題があって、きものと帯を預けておいても、私にはどの組み合わせがいいのか全くわからないことです。ネット注文のように自分のきものが手法として選択できても、どのような組み合わせがいいのかわからないので、きっとそこで二の足を踏んでしまうだろうと思いました。預けてあるきものと帯から、AIなどが提案してくれたらもっといいなと思いました。今後のサービスのきっかけになったら嬉しいです。

障がい者雇用について、頂いた冊子を拝読させて頂きました。
雇用する前に知っておかなくてはならないことや、適正は試してみて見つけていくことを知りました。親の対応も様々で、自分を抑えられなくなって採用不可とされた方が「ここで働きたかった」とおっしゃったことに胸がいっぱいになりました。

障がい者雇用は、「雇用すればいい」というのではなく、社会的意義に加えて、本人の生涯を想い、「区別すれども差別せず」を心して取り組まなければならないことを学びました。
また、同情して甘やかすことの弊害を知りました。

先日、日本理化学工業を訪問させて頂いた時にも、障がい者にも一般的な社員と同様に接していて、叱ることもあると伺いました。採用に対する覚悟がありました。
また、日本理化学工業では、雇用条件を一人で通えること、意思表示かできること、一生懸命働くこと、周りに迷惑をかけないことの4つを挙げていました。採用してからもこの条件に合わない行動をとった場合、どの行動がいけないのか、どうすればいいのかなどを、本人がわかるまで話をして、時間をかけてできるようになるのを見守っていました。
きものブレインでは、条件ではなく、一人ひとりの適正で判断されていますが、寄り添う在り方が似ていると感じました。

「みどりのまゆ」など、大学との共同研究も多く、「無我夢中になると、人を巻き込むことができる」というお言葉に、「人は情熱で動き、それは伝播していく」ことを改めて認識することができました。
この熱を持ち続けることが「いい会社」の経営者と、想いはあれどもなし崩しになっていく会社との決定的な違いであると思いました。
総じて、物ごとの捉え方、考え方、自分の哲学、想いの継続と熱量など、会社経営にとって「見えないけれどもとても大切なこと」を感じることができました。
また、自分に不足していることも強く認識することができました。
今後、ご教授頂いたことをどのように自分で実行していくのか、まずはじっくりと考えていかなくてはならないと思いました。
更に言えば、ぼやっと考えるのではなく、構想として描き、人に語れるレベルまで考え抜かなければならないと決意することができました。
いつも「いい会社」の経営者の方とお会いすると、自分の熱量の不足を感じ、こんなことではいけないと思うので、何が自分の熱源となるのかを、ただ「いい会社」を増やしたいだけではなく、もっともっと自分に身近なところに持たなくてはならないと思いました。

きものブレインのますますのご発展と、岡元社長を始め、みなさまのご健勝をお祈りしております。
また、きもの文化村構想が十日町にとっても素晴らしいことになりますように。

ご縁に感謝いたします。
ありがとうございました。


(20代、男性、学生)

 私が今回のきものブレインを見学させていただいて最も印象的だった点は、岡元社長の「人員整備のしない会社にしたい」という想いです。私は大企業がリストラや人員整備をしていることを、しばしば新聞等で耳にしていました。そのようなことから、人員整備は企業にとっては当たり前のことだと思っていたため、人員整備をしない経営がとても新鮮でした。その背景には岡元社長が過去に人員整備を行った経験があり、その際のことをとてもつらい経験だったと仰っていました。その経験が岡元社長の背景にあることで、人員整備をしない、従業員を大切にする経営が生まれたということは、なかなか学ぶことが出来ない貴重なお話でした。
 私は、きものブレインを見学する以前に、事前に配布された資料等を利用した学習会を通して、ある疑問を抱えていました。それは、きものブレインがアメーバ経営や5S・vmといった経営を採用された背景です。従来の経営では業績がよくならなかったために、利益を求めて、外部の経営を導入し、それがうまくはまったものだと仮説を立てていました。しかし、実際に社長のお話を聞くと、会社の利益という話はあまりされずに、会社を続けていくために従業員の働き方やモチベーションをいかにして改善していくかが、外部からの経営を導入した背景にありました。岡元社長は現在の社長職を引き継ごうとした際に、従業員の現状に疑問を抱いていました。社長が抱いた疑問である、社長が事業を熟考し、従業員はその指示に従うということは、社長という権威を用いて、トップダウンに仕事を行うということであり、私は当たり前のことだと思っていました。従業員は指示を受けたら、献身的に業務を行うが自分から考えて行動することがあまりないことに、岡元社長は不安を覚え、盛和塾で学んだアメーバ経営の導入に至りました。
 人員整備をしない会社にしたいという想いがもとに、そのような外部からの経営手法を導入することや、障がい者雇用、従業員の成長を考えた経営が生まれたことは、大学の授業では学ばない貴重な事例でした。通常、私が大学で学ぶことは研究者の理論が大半であり、それが実際にどのように企業で活用されるのか、実際の企業で扱われている経営手法はどのように生まれ、どのように活用されているのかというところまではなかなか学ぶことができず、その点はしばしば疑問に思うことがありました。しかし、岡元社長の講演をお聞きし、質疑応答、工場見学を通して、大学では学ぶことが出来ない点を学ぶことが出来ました。
 また、アメーバ経営を行うにあたって、フィロソフィを大切にしているという点がありました。盛和塾を受けて、アメーバ経営の導入を試みるも、失敗した企業がいくらかはいると思います。その中で、きものブレインが導入に成功されたことは、フィロソフィを大切にしているからだと理解することが出来ました。導入されて失敗した企業は、京セラと同じように経営手法だけを真似して、導入した企業の現状にあっておらず、うまくいかないことが原因だと思われるのですが、きものブレインは企業の現状に合わせてアメーバ経営をうまく適応させていったことが、アメーバ経営を導入する際の成功事例として、良い学びを得ることが出来ました。また、フィロソフィに則って経営判断をされるために、経営判断がぶれることがないとお聞きしたときは、フィロソフィがアメーバの運営だけではなく、企業全体の経営にまで活用されると知り、よりアメーバ経営について理解を深めることが出来ました。
 また、アメーバリーダーの選出の際に、積極的な人であれば、社員の方だけでなく、パートさんからも選出されるということからも、きものブレインの社員を平等に扱う方針が感じられました。通常の企業では、女性は出産や育児で会社を辞めるために地位が低く、またパートや派遣社員は社員と同等に扱われないということがある中で、きものブレインは全ての社員を平等に扱っていました。印象的なエピソードとしては、パートさんがアメーバリーダーになったことに対して、正社員の方がパートであることを理由に意見を唱えた際に、正社員の意見を採用したのでは無く、会社の方針に則って、正社員に注意を行ったことでした。ここからもきものブレインの全従業員を大切にする経営が見られました。
 学んだことはもう1つあり、人を大切にするリーダーシップの取り方です。従業員志向の経営は大学で学ぶことがあるのですが、それはほとんど方法論だけを学んでいました。従業員のモチベーションを向上させるといった記述があっても、実際にどのような想いでリーダーがその行動を行い、フォロワーに影響を与えるかは想像がつきませんでした。きものブレインでは、共同のフィロソフィに則ることで、社長はアメーバを通して、従業員にある程度の自由を与えていました。また、フィロソフィの確認を朝礼で行うことや、社長自らが従業員を大切にする、人員整備をしない経営を口にすることで、経営者と従業員の関わりを強くしており、社長が従業員からして遠い存在ではないという関係性を築いていたことも良い学びでした。
 以上のように、今回、きものブレインで岡元社長の講演、質疑応答、工場見学をさせていただき、多くの学びを得ることが出来ました。今回学んだことの多くは、大学内では学ぶことが出来ない、社長自らの企業や従業員への想いでした。従業員を大切にされている経営のほとんどがその想いから派生したものであることを知ることが出来た点は、今後の研究に役立てていきたいと思っております。
 また、研究だけでなく、今後の就職活動にも今回の学びを活かしていきたいと思いました。インターンシップや就活情報サイトでは、人を大切にしている企業という言葉が多く見られます。とても抽象的な言葉で、本当かどうか疑問を持つことが多く、一体どのような状況が人を大切にしているのかということがよくわかりませんでした。しかし、きものブレインでは人員整備をしないという想いから全従業員を平等に扱うだけでなく、フィロソフィの下、全従業員の物心両面の幸福の追求を行っていました。仕事における面だけでなく、従業員を1人の人間として捉えて、その家庭の幸福も会社として追求していくことは、人を大切にする会社であると思うことが出来たので、今後の就職活動では従業員の家庭での状況も含めて、情報収集を行っていきたいと思いました。
 この度は、お忙しい中、訪問をさせていただき、誠にありがとうございました。企業訪問を通して、良い学びを得られたこと、とても感謝しております。


(40代、男性、経営者)

今回、地方企業の取り組みを取り上げて、話題になっている地方創生のヒントも探りながら、地方独特な経済圏を豊かに逞しく、経営活動している会社を訪問しようと見学会を企画した。以前より気になる会社があり、今回は実現するに至る。
その際、私たちの学びの前提になる「いい会社」の定義、従業員とその家族が働いて幸せになる仕組みを持つ会社への訪問を前提に、今回の合宿を構成してみました。

昨今、日本政府が行うクールジャパン活動の中で、和装は持て囃され、京都や東京・浅草周辺では、和服を着た外国人を見かけるようになり、また、若い日本人女性も、和装として浴衣を花火大会他、銀座あたりでも闊歩している姿が目立つようになった。

しかし、その浴衣も着物も、観光地の話題性、また旅館等でのイベント、そして京都のみにしか無いという感覚がある。そんな中で、新潟県の中でも豪雪地区にあたる十日町市にて、その会社は創業して、今も拡大している。

今回訪問した、きものブレイン社の主な仕事は、きもの全般のリペアであるが、和文化の発信地として、ユニークな着物の販売も手掛け、後代には「きもの文化村」を当地に設けたいと岡元社長は語り続けた。

地方企業を見学するときは、その土地の前日までに入り、その土地の名物を食しながら、地元の方との交流や事前学習をすることで、より理解が深まるという流儀をもっている。
今回は、中越地震の際にお世話した(いや正確にはお世話になった)山口様に、きものブレイン社へのコーディネートを依頼し、見学できることを感謝したい。

当日の説明には、岡元社長自らが資料を交えて、90分程度の講義を受けた。
きもの文化の土地でも、大不況と共に廃業や町の衰退があったことが語られ、そして、その文化は減少の一途、京都への過度な集中、という歪さを持っていると説明された。
そのため、将来的には、きもの文化というのを十日町市から発信し、着物作家、デザインを当地からの展開で、一層の存在感を発揮できることでしょう。

また、各改善への取り組みと共に、それら経営の方針に悩まれた時に出会う、哲学(フィロソフィー)の大切さも説かれていた。それは、軸をブラさずに進む経営の根幹にも感じる。
この点は、経営者が哲学を持つ重要性を理解し、そして、岡元社長の窮地を救う意味でも役割を果たしている。
哲学も経営理念も、近年、その意味を言葉のみで捉えられ、経営における哲学、経営者の経営理念の理解が変容しているようにも感じた。今回、真っ当な哲学の在り方に出会ったが、しばしば、「哲学とは自らの経験値」という輩もおり、それらが同じ学びの場からも誕生している。今回のような真っ当な哲学の中で経営されていることを参考にしたい。

いくつかの質問に答えて頂き、その後は2班に分かれて、工場への見学へと進み、1階部分では、様々な作業が、職人さながらの手作業を拝見した。
工場内では、新設されたばかりの工場ゆえ、整理された区画で、きっちりと作業がわかれて実施されていた。

ただ、それらは旧来から、当ビジネスにかける岡元社長の熱意、そしてそれらに応えようとする職人、従業員によって、支えられている。
前述された内容において、実際、障碍者の方の働き方も説明された。きちんと切り出して仕事をしてもらうことで、彼らがイキイキと働いている様子も観察された。

地域資源といっても、きちんと活用して価値を見直している地方は少ない中で、きもの文化、織物文化、卸売業での苦難を形に変えて、今では主流となったリフォーム、クリーニングも、その当時は「新品が売れない」という小売り側の殿様商売に、7年間の赤字のままで続けた勇気とその耐性は素晴らしいと思う。

今回、それら地域が豪雪地帯である新潟県十日町市に発見でき、その発信力の強さ、そして、社会的弱者や地域の人々を支える姿に、一層、「いい会社」は、どこでもできる、経営者次第である、という思いを強く認識した。

御挨拶をして、現地を後にしたときの心地よさは、再度、この地に再訪したいと想いを高めている。見学とご講義を頂戴し、本当に、ありがとうございました。


   

(60代、女性、NPO代表)

日本有数の豪雪地帯の十日町市は、20年ほど前に息子たちと新潟にスキーに来た折、雪まつりの雪像を見学したことがあり、とても懐かしい町です。
今回、岡元社長のお友達である山口さまのご配慮があり、訪問が実現できましたこと感謝しております。

<きもの文化村構想>
今年3月に完成した「夢ファクトリー新工場」は、1万坪という広い敷地の中にあり、新工場の周りに、全国の若手の作家さんを集めて住んでもらい、そこに工房をつくる「きもの文化村」構想という、社長の壮大な夢がつまった場所でした。
きもの産業が衰退している時代の流れによって、町全体が人員整理をしている中で、岡元社長さんは、自分は人員整理をしないと心に決めたというお話がありました。
そのような大変な状況で、不安の方が大きかったと思いますが、決断をされた勇気と社員を大切に思う強い気持ちに感動するとともに、そこを乗り切ってきたからこそ、今の発展があるのだと確信しました。「どんな時でも諦めない」という強い信念を持ち続けること、私も岡元社長さんのような生き方をしたいと心新たにしました。

<きもの産業について>
京都にきもの産業の集積が進み、十日町は陸の孤島となってしまったときに、業界初のアフターケアを始められたことは、素晴らしい発想の転換だと思いました。私は、きものは高い、一人では着られない、メンテナンスや管理が大変という思いしかなく、きものはとても遠い存在でした。
今回訪問させていただき、シミ抜きの方法を伺ったときは、目からうろこでした。一度漂白して、そこに修復のために色を乗せるということを知りました。職人さんの技術のすごさに感動です。汚れることを恐れて、高いきものはできるだけ着ないようにしているという方が多かったという。そこから、お客様の気持ちを第一に考えて、メンテナンス事業を始められています。軌道に乗せていくまで、同業者からの「着ものが売れなくなる」と長年云われて続けても、じっと辛抱してきた岡元社長さんのブレない気持ちが素晴らしいと思います。しかも、自社にて一貫加工できることを優先したために、7年間儲けも出ずに、銀行からもあと1年で融資を打ち切ると最後通告をされています。
お客様の声に答えるという使命感を持たれて、覚悟を決められたとのこと。ちょうどその時にバブル経済が崩壊し、日本中が倒産の危機の中、呉服店からアフターケアの依頼が殺到したことが好機になり、結果きもの人口も増加したとのことで、激動の時代を乗り越えられたのだなと感激しました。 赤字でも、一貫加工ができることを優先した、その努力の結果、業界初の一貫加工によるワンストップサービスのビジネスモデルも確立されています。そして、平均納期が60日から30日に短縮でき、コストも30%削減できたのは、外野の言葉に惑わされず、自分の信念を貫く強さと時代の先を読む先見の明、そして何より、お客様に喜んでいただくには何をすればいいかというお客様目線が、岡元社長さんにあったから、実現できたのだと思います。
また、メンテナンスだけでなく、撥水加工技術やたったの5分で簡単に自分ひとりで着られるきものの開発、水洗いしても縮まない技術、保管するサービスも行っています。
きものの保管は難しく、使いたいときに、ネット上で写真を見て選び、送ってもらえ、使用後はメンテナンスし、また保管してもらえるというのは、高いきものを着る方たちにとっては、至れり尽くせりのとても有り難いサービスだと思います。
数日前にNHKのEテレで、きものの番組があり、5分でTシャツと短パンの上に若い女性がきものを着る姿を映していました。このように着付けを知らない方でも、誰でも簡単に着られる着ものがあることを紹介していました。私は、訪問後でしたので、これがきものブレインさんの開発した着物だとすぐわかり、NHKでも紹介されたことにとてもうれしい気持ちになりました。これなら私も着られると思い、きものが身近な存在になりました。

<社員と教育について>
会社はきものを扱う仕事ということで、68%の社員が女性ですが、男女で給料の差もないとのこと。他の企業では、同じ仕事をしていても、女性の方の給料が安いことが当たり前にありますが、平等で、女性管理職も多く、女性をしっかりと活用されており、いい会社だなと思います。このような会社で働いている方は幸せだと思います。
社員教育も徹底しており、挨拶に力を入れているというお話のとおり、訪問の最初のお出迎えも、見学中の社員のみなさんも、大きな声でしっかりとそれぞれの方が挨拶してくださり、とても気持ちがよかったです。最近は挨拶ができない人が多くなっていると感じていますが、挨拶は人と人とのコミュニケーションにとって、最初の入口ですから、
信頼関係をつくっていくにも、とても重要だと思います。当たり前のことが当たり前にできることは、やはり素晴らしいと思います。

<今後に向けての取り組み>
経営においても、今までは、岡元社長さんが商品化や開発のすべてをやられてきて、考える人が育ってないことに気付いたとのこと。将来への危機感をいだき、人員整理をせず、成長させるには、突き抜けた経営をしないと無理だと感じて、3年間考えて結論を出し、足元をしっかりと固めるために、過大投資を決断されました。タナベ経営の5S・VMをまず導入され、工場内のVMボードには、日常業務、結果、プロセスなど目で見て確認できるようになっています。またそれぞれの部署から1名ずつグループにして、フィロソフィーを浸透し、毎朝全社員で唱和して、心をひとつにする努力をされています。 全員参加の経営を目指して、アメーバ経営も取り入れています。アメーバ経営では、チームで時間当たり10%の採算効率を上げることをやっていて、すごいなと思いました。主婦としてのアイデアもすぐ出てきて、20位までを選んで表彰するという、全員がアメーバ経営に参加する雰囲気がつくられていて、楽しみながらも、モチベーションも高まると思います。岡元社長が常に勉強されている姿勢、社員にその学びを浸透させる努力を日々積み上げていることが、会社発展の原動力になっていると思いました。

<障害者雇用について>
障害者雇用においても、法定雇用率の約5倍の方を雇用されています。ここまでに至るには、たくさんの試行錯誤やご苦労があったことと拝察いたします。私も軽度障害者やニート・ひきこもりの方が就労できるまでの自立のお手伝いをうどん屋の業務を通して11年やってきました。そして、障害者の就労環境をよくしたい、もっともっと多くの障害者が当たり前に会社で働けるような社会にしたいと一般社団法人を今年立ち上げて活動をはじめていますが、正社員として雇用している会社はまだ少なく、パート採用のところが多い現状です。しかも、3年以上継続できている方は、3割ほどです。それらの原因はどこにあるのか、今調査をしていますが、制度上の問題もありますが、職場での人間関係がうまくいくと継続できる可能性が高いです。貴社では、障害者支援委員会を設け、その仕組みをつくっていることで、働きやすい職場として、継続できているのだと思いました。社員全員で支援する仕組みが素晴らしい取り組みだと思います。
人ごとではなく、一人ひとりの社員の意識も高まり、会社全体の雰囲気もいいものになっているのだと思います。
資料としていただいた「障害者雇用エッセイ集」を読ませていただきました。奥さまである副社長のお気持ちやご苦労がひしひしと伝わってきて、私も重なる体験が多々あり、とても共感できました。なかなか思うようにはいかない現実に向き合い、温かく、またある時は厳しい気持ちで、専門家とも連携しながらの定着支援が身を結んでいるのだと思いました。どんな人も、人の役に立つこと、人から必要とされることが、生きがいになり、頑張る力となります。それは仕事をすることで達成されます。岡元社長さんもお話されていましたが、「区別はするが、差別はしない。配慮はするが、特別扱いはしない」という当たり前のことであっても、なかなか実践することは難しいと思います。
ともすると障害者の方の中には、障害があるのだから、やさしくされるのが当たり前、親も子どもに障害があるとわかるとただ過保護に育ててしまったり、どうせ出来ないからと諦めて、あまり関わらずに育ててしまっている方も多く、そのような場合は、生活自立もできておらず、就職のラインにさえ立てない方もいます。親の育て方の結果は、子どもが背負っていかなくてはなりません。大人になってから修正するのは、本人もとても大変ですし、苦しいです。それらの現実をたくさん私も見てきているので、親の教育も重要だと思っています。
「障害者という言葉は意味も響きもよくない」という副社長さんのお考えに私も同感です。健常者というのもおかしな言い方だと思います。どんな人にも、機能不全はありますから、どこからが障害かの線引きはできないと私も常に感じていることです。一人の人間として、誰もが尊重され、出来ないことはお互いに助け合っていくことが当たり前にできる社会になってほしいと強く思います。また副社長さんのような理解ある方が、日本中にたくさんいらしたら、もっと障害者雇用も当たり前になると思いました。特定の会社だけが頑張ってもどうにもなりません。「障害者はできない人」という概念を根本から変えていくことが必要だと思います。

<新たな挑戦>
今後の新たな成長戦略として、人口減・高齢化・過疎化する地方都市において、「全従業員の物心両面の幸せを目指す」という目標を掲げ、地域活性化も視野に入れて、たくさんの挑戦を続けていることに、諦めずにやればできるという勇気をいただきました。経済産業省補助事業として、大学との連携、きものアフター診断士講座の開催や技術の伝承、後継者育成など人材育成にも力を入れていて、若い人材を育てていく予定とのこと。新入社員には月1回東京などに勉強会に参加してもらうことや、入社5,6年の社員には教育をして、幹部候補生を育成して、次の時代に向け着々と人材を育てることを実行していることは、時代の波に翻弄されないたくましい会社に成長していくのだという強い意志を感じました。
新たなシルク産業の創造として、みどりまゆの研究も素晴らしいです。白いまゆより、フラボノイド(抗酸化作用)が2.5倍多いということで、衣類以外のコスメやサプリメントとして商品開発をしています。従来のイメージ先行から、新ブランドはエビデンス先行で行うという新たな展開を企画していて、新しい時代をつくっていく勢いを感じます。特産化やブランド化に向け、ネット通販サイトや多店舗、全国展開も目指すという、壮大な目標を掲げ、実行しているお姿に、敬意を表するとともに、今後のきものブレイン社と十日町市の発展がとても楽しみですし、ワクワクします。

岡元社長さんの穏やかで温かいお人柄に触れ、心が癒されました。
たくさんの苦労を乗り越えられてきて、さらに地域の発展のために、なくてはならない会社として、進化していくための地道な努力や勉強し続ける姿勢に感動するとともに、私も、この訪問からたくさんのことを学びました。それを今後の活動に活かして、いい社会になるよう努力していきたいと思います。
岡元社長さんの目標である、「きもの文化村構想」の実現を心から祈念しております。
お忙しい中、お時間とっていただきまして、感謝申し上げます。
岡元社長さんも腰を痛められたとのこと、副社長さんも体調を崩されているとのこと、どうぞお身体に気をつけて、益々ご活躍ください。
どうもありがとうございました。


(30代、男性、専門家)

平成29年9月11日に株式会社きものブレイン様へ訪問しました。
新社屋が完成したということで、インターネットにある地図にはまだ記されていない場所へ移動したところ、綺麗にデザインされた建物が現れました。駐車場に車を止めると、駐車場には雪解けの散水設備があり、夜間駐車場を照らすライトも完備され、雪深い新潟県十日町の事情と、従業員への配慮を社屋へ入る前から感じます。

社屋へ入り、説明を受ける場所では天井から着物の絵柄のサンプルがたくさん吊り下げられており、これだけで着物への興味がわいてきます。見せ方が素晴らしいと思いました。
会社説明は岡元松男社長が自らしてくださいました。
振袖などの着物業界は、着物自体が着られなくなっていくに従い衰退しており、その中で業界全体での会社倒産や従業員のリストラを見て来られた中で、社長は人員整理をしない経営をしようと思われたそうです。大前提として会社の継続があり、従業員を大切にしようとする考えが、そこで生まれているとすれば、そのような悲しい現実を見ないと身に沁みないのかもしれませんが、今後の経営者の多くに経験者が伝えることで学び、その価値観と考え方を継承していただけるとよいのではないかと思いました。

 岡元社長は着物を売って終わりを基本とする過去の着物業界の中で、顧客の声や着物をもっと来てもらいたいとの思いから着物のアフターケアをスタートされました。これに対して地元の着物業界の重鎮からは「そんなことをしたら着物が売れなくなる」と言われ、「きものは着ず、箪笥の中に置いておくだけで顧客は満足しているのだからそれでいい。『お』きもの(置物)だ。」との言葉に反発された話から、社長の中にある信念を感じます。
 岡元社長自身「考えることが趣味」「ずっと考えている」の言葉にあるように、どうすれば着物を着る人が喜ぶか、着物を着る人が増えるだろうか、そして自社の繁栄になるだろうか、と考え、実行されてきた様子がうかがえました。
 その中で、今回目立ったものは「みどりまゆ」という「まゆ」の開発です。これは大学との連携によって絹を作る蚕の育て方を改良し、蚕繭一つからの絹糸の生産量を増やし、質も良くなる方法を確立されたものでした。これを基にシルク衣類、石鹸類、健康サプリメントと商品類が広がり、新たな展開を見せています。
 更に、十日町をきものの街にしようと考え「きもの文化村」構想を思い付き、岡元社長みずからの退職金をつぎ込んで着物に関する施設を点在させ、全国から着物に関わる人々が集まるように村を作ろうとされています。

このように着物業界の常識を打ち破るイノベーションをされてきました。しかし「常に考えている」社長の視点は、その次へと向かっています。事業承継です。
今までの話から社長の発案から副社長の奥様を中心に従業員が現実にするために努力してきたワンマン型の経営をされてきた様子でしたが、今後は「全員参加の経営を目指す」とされ、衆知を集め、また会社自体が大きくなり、部署も多くなっていく中で、自律した部署、組織が、自ら考え行動する形での経営へシフトするように動いています。
工場の見学させていただいて従業員の仕事一つ一つが専門的で職人的な面があると分かりました。従業員は職人として研鑽していく必要もありますが、全員参加の経営には、同時に従業員同士の相手への理解、組織への理解が必要となります。そのために5S、VM(ビジュアルマネジメント)や盛和塾から学ばれたフィロソフィー、アメーバ経営を実践されています。
私はこれに加えて障がい者雇用も含めて良いと考えています。きものブレイン様では障害者支援委員会を設置されています。1チーム5人の5チームで25名が委員として活動し、1年で交代することによって、数年で全員が委員として活動することになります。これにより障がい者への理解から同僚への思いやりが深くなり、障がい者雇用をするために、どのように仕事を切り分けて仕事を作り出すか、といった仕事自体への理解も進み、非常に効果的な取り組みだと思います。
障がい者雇用と表現せず「ダイバーシティ企業(多様な人材が活躍できる企業)」を目指しておられることも素晴らしく、障がい者ではなく個性として理解し、「差別はしない。区別する。」との考え方は正しいと思いました。「少数のプロより大勢の素人で」対応しようとする考え方も全員経営に繋がります。「あの仕事は私の仕事ではない」の反対で「皆で支え合っていこう」とする思想が社内に、更には文化村全体に、そして十日町全体に広がっていく、そんなイメージを受けました。

今回は訪問させていただき、ありがとうございました。
私は学生時代に新潟で過ごしましたが、雪深いイメージだけで十日町がこのような街とは知りませんでした。今回「へぎそば」も食し、少しだけ知る事が出来ました。また訪問したいと思います。



(40代、男性、経営者)

社長のリーダーシップ
穏やかなお話しぶりとは違い、会社を導くクリエイターとして、陣頭指揮を執っている印象を受けた。後継者へはすでに教育されているとのことであったが、現社長がお持ちの創造の部分は、承継がかなり難しいのではないかと思われる。

モチベーション管理
アメーバ経営による小集団活動が土台となり、フィロソフィで価値観を共有されている。
アメーバリーダーは、社員もパートも関係なく、意欲あるひと、できる人に任せるとのこと。この仕組みを伺った際、一番、震えた。できそうで、なかなかできない運用。社内のやる気を維持するための最良の策であると感じた。

人材育成
全員参加型経営のための、継続的な育成の仕組み(1年研修、3~5年研修、幹部候補向けなど)が行われていた。また、スキル表の活用により、個々の社員の技量の見える化を図っている。技量に関する情報が共有されているため、教育を行いやすい環境が整えられている。職人の要素が濃い業務を、文字化することにより技術の承継が行いやすいと思われた。記録、科学、数値化が実践されており、VMの定着と徹底が図られていることが現場から確認できた。
スタッフの皆さんの挨拶は素晴らしい。他社でも、できそうで、できないことを徹底して行う姿勢が素晴らしい。職場、食堂などいたるところで、来訪者に対する挨拶がお紺われている。
障がいを持った方々へは、障がいの程度に合わせて、様々な配慮はされているようであるが、基本は社会人として結果を出すよう指導している点が素晴らしい。訪問後、いただいたエッセイ集を拝読し、副社長にもお会いできたらよかったと、改めて感じた。お体を大切に。

経営戦略
既存事業の着物アフターケアを主としつつ、新たな消費を創造するべく着物文化村を設立、シルクの産学連携などを開始されている。
社長主導による、市場創造であり、この姿は創業から一貫している。大学からの知見を共有し繭から開発されている。次代の企業成長への社長の意気込みを感じる。

マーケティング
既存事業では、代理店、一般ユーザ向けのサービスを展開されている。
百貨店などへの出店にて、一般に告知されている。呉服から始まった百貨店への出店は、ブランドイメージとマッチしていると思う。

全体
日本の文化を、ビジネスを通じて、体を張って守っているという印象を受けた。
スタッフさんの挨拶には、着物文化には、挨拶などの礼儀が大切であるというメッセージを感じる。


30代、男性、会社員

概要
株式会社きものブレイン(以降、きものブレインと略称)は1976年呉服販売業として創業。着物のアフターケア事業を1983年より開始し、それ以降着物のメンテナンスに加えて汚れを防ぐガード加工、着物の仕立て縫製を主業とし、高度な技術で対応することができる全国でも有数のきもの専門加工メーカーである。会社がある新潟県十日町は日本有数の豪雪地帯で、屋根に瓦がなかったり1階がコンクリートの壁に扉を頑丈なシャッターにすることで毎年2m以上積もるであろう雪の対策を行っている家がほとんどである。
 そんな十日町の人口は年々減り続けており、6万2千人だった去年から今年は5万7千人まで落ち込むといわれている。そんな地域の状況にも関わらず、きものブレインは中越地震、2008年のリーマンショックを乗り越え地域雇用に貢献し続けている。人口減少に続き高齢化も進んでいる地域において従事している従業員の平均年齢は37歳と非常に若いことも特徴としてあげられる。今回いい会社の夏合宿ということできものブレインにおける工場見学及び岡元社長から直々にお話を聞くことができる貴重な機会を得た。

社内見学
 見学はきものブレインの新工場であるきもの文化村新工場内部の着物のメンテナンス(しみ抜き、工芸修正、ガード加工) 工程から、ベトナム工場からの縫製生地の検品部署、資材部門を社長自らの案内により紹介いただきました。
 どの職場においても皆さん当然のように積極的に挨拶をしていただけたこと、作業中にも関わらずわれわれの質問に丁寧に答えていいただいたことが非常に印象的でした。また、各所に5Sの徹底とVM(ビジュアルマネジメント)を用いた各自の課題の見える化、共有化を行っており、社員個々が独立して責任をもって会社の課題を解決していくという姿勢が強く感じられました。
 斜陽産業といわれている着物産業において、現在京都にその技術と事業は集約されつつある状況のなか、シミ抜きや加工の技術者を集めたり育成したりすることは非常に大変だったという話を岡元社長がおっしゃられていました。見学では多くの若い従業員が着物の技術者として働いている姿を目の当たりにすることで、仕事と機会を与えれば人は集まり育つのだ、と実感することができました。

岡元社長のお話
 岡元社長からきものブレインの創業から現在、着物業界の状況など、着物自体にも不慣れな我々のために幅広く丁寧にお話ししていただきました。
 絹はたんぱく質でできており、水に弱く紫外線でも変色しやすく酸化もしやすい非常にデリケートな素材。着物に汚れが付着した場合、表面はその場で落とせても浸透した残った汚れが繊維の中から徐々に酸化し、最後は黄ばみとして残ってしまうことが多いといいます。通常の方法ではこの黄ばみはとれずメンテナンスもしにくいという課題に出会った岡元社長はこの着物の汚れを取るという方法を模索し、その方法を見つけ汚れを落とした結果お客様に非常に感謝されたことを契機に着物のメンテナンスを事業化することに決めたとのこと。
しかし、起業のためには高度な技術と高価な設備が必要であったこと、そして当時の業界において着物をメンテナンスするという概念がなく業界全体が岡元社長の事業に協力的ではなかったことなど、現在のように事業が軌道に乗るまでずいぶん苦労されただろうことがお話の中の端々にうかがえました。その後、着実に着物業界の課題を解決していくという姿勢で事業を進めています。(課題に対しての解決は付録に紹介)
 2014年より社長自ら盛和塾新潟に入塾。15年より会社の理念、ミッションを共有する目的で会社のフィロソフィを編纂、社員全員に共有する活動を続け、16年には元京セラの稲盛和夫氏提唱のアメーバ経営を導入。自らの市場を創造するためにはまずミッションと経営理念、そしてそれらに対してどのように行動するか(アクト)を社員全員で共有すること、そして盛和塾新潟で学んで導入したアメーバ経営を加えることでさらに従業員の自立を促しているという活動を紹介いただきました。社長曰く「人員整理をしない会社を目指す」という当初目標をこのままでは守れないのでないか、という疑念から発端し、また自ら学び、これらの活動を取り入れたとのこと。初志貫徹、そして、人間は一生学びの姿勢を継続していかなくてはいけない、ということを改めて実感致しました。

 今回のお話を通して一貫して感じたのは、十日町の地場産業としての役割を認識し、日本の伝統工芸である着物の発展に寄与すると共に障がい者雇用を通じて地域社会に貢献することで「なくてはならない会社となる」ために日々活動する社長の視野の広さと目線の高さでした。今一度、自分の立ち位置を認識し、生き方を考え直すよい機会をいただきました。まことにありがとうございました。

所感
岡元社長はとにかく笑顔が絶えないやわらかいお方、という印象でした。いろいろな苦難を乗り越えてなおこのやわらかい雰囲気を出せるというのは並大抵の意思と努力がないと成し得ないものと思い、質問にも真摯に解答いただく姿を見ていると、ああ、自分もこう謙虚に人の話を聞き丁寧に答えているだろうか、と今までの自分の人との接し方を見直す良い機会を与えていただきました。また、社長のお話を通して、起業というものは仕事を創生することで、仕事とは社会の課題を解決することである、ということを改めて学ぶことができました。
 ダイバーシティという言葉は近年急激に使われるようになりましたが、一方で世の中はダイバーシティを受け入れることはコストと労力がかかり、そのわりに経済効果も少ないのではないか、と思われています。これは、戦後以降の社会がGDPを基準とした経済成長だけを追い求め、生産効率を追求するあまり、社会が閉鎖的、画一的になりすぎてしまったこの社会の問題点とも言えます。
 これからの経済を成長させる伸びしろは今の社会の枠組みではなく、枠の外にある世界であり、それを広げていくこと、そして、より多くの多様的な方々が生きる喜びを得られる世界にすること、それが先進国の企業の今後のあり方だと思います。

 岡元社長から社内見学の際、工場見学の中でAIを採用して顧客の情報や生地の種類などを管理させていくシステムを導入する、というお話を伺いました。
 今後、AIによるシステムの自動化、肉体労働に置き換わるロボットが進んでいくことと思います。しかし、彼らはわれわれの仕事を奪う存在ではなく、今の人間の社会ですでに成熟し、人件費もかかっている仕事を自動化することで、余った人間はより人間らしい豊かな世界を創造するため(社会の枠を広げるため)の仕事に従事することができます。
 このように、従業員および自らも社会における「価値」を意識し、更新し続ける活動を体現され、着物業界のみならず地域社会の枠組みを壊し、新たな価値を創造し続けているきものブレインおよび岡元社長の企業活動はまさにこれから企業が目指している存在でもあると感じました。
 
障がい者雇用エッセイ集に関して

 今回の見学会にていただいた岡元社長の奥様のエッセイ集を拝見しました。
 今の社会の仕組みで障害者と今呼ばれている人々を救うことができない、ともに歩むことができない、そんな悔しさや後悔があふれていました。これらはわれわれの無知にもつながっていると思います。はじめから「いない」ことが前提とされている世界ではなく、「いる」ということが前提である世界でものが見れない我々自身の傲慢さによるものだと今回改めて認識しました。

 最後に、見送りに大勢の社員が玄関まで訪れ、挨拶していただきました。岡元社長も自ら玄関に立ちお見送りいただけたこと、御礼申し上げます。そして岡元社長を紹介していただき、十日町の魅力を紹介をしていただいた山口さまにも御礼申し上げます。

付録:着物業界の課題に対してきものブレインが提案している解決方法
課題1:着物は汚れが取れにくくメンテナンスができない
解決:これまで着物は手入れしないできないということが常識だったが、特にとれにくい酸化黄ばみを漂白して色を合わせるという技術を採用することで汚れを取ることに成功。きもののアフターケア事業として世の中に普及活動を続けている。

課題2:反物の製造販売において、通常は染み抜きや湯のしなど加工、仕立て業者がそれぞれ存在し、ゆえに納期が長かった
解決:きものブレイン内ですべての工程をまかなうことで大幅に納期を短縮させた。またそれらをワンストップで行うことで高品質・短納期・低価格を実現させている。

課題3:着物は保管にスペースと手間が多くかかる
解決:お客様の大切な着物を預かり管理するという仕事を新たに創出。高価な着物を預かるゆえ、24時間監視のセキュリティシステムを導入し室温、湿度も徹底管理を行う。
また、インターネットを通じて自分が預けた着物の画像を閲覧することでユーザーに今着たい着物を直感的に選べるようなサービスを展開。この事業は、将来的に、預けた着物を会員同士でシェアする、ユーザー間で貸し借りができるシステムに発展させることで更なる事業拡大が見込まれる。

課題4:着物は一人では着ることができない
解決:着付けができなくても5分で着物と帯が着れる着物と帯を販売している。

課題5:着物を着続けていると汗しみ、塩分が付着してしまう
解決:信州大学の木村教授と協力して水で洗える絹生地の開発に成功。撥水性のある素材で汚れもガードできる画期的な生地の販売している。


40代、女性、税理士

いい会社とは・・
社員およびその家族が幸せを感じて働いている会社である。
今回の夏合宿で見学させて頂いた 3 社のうち、株式会社きものブレイン、フジイコーポレーション株式会社および株式会社スノーピークについて、永続性に重点を置いて、「いい会社」といえるか検討していく。

□株式会社きものブレイン
~自ら市場を創造する 5S・VM+アメーバー経営で全員感化型の経営を目指す~
株式会社きものブレインは、新潟県十日町市に位置し、1976 年呉服販売業として創業された。
今回、夢ファクトリー 本社工場を見学させていただいた。
当社は、「きものを愛する人の幸せを思い、きものの幸せを考え、人間性を磨き 技術を磨いて 地域に誇れる企業を創る。」を理念とし、「全社員の物心両面の幸福(しあわせ)を追求する。
日本文化である伝統産業の「きもの」の発展に寄与すると共に、障害者雇用を通じて社会に貢献する。」のをミッションとしている。
岡元社長が採り入れたアメーバー経営の目的は、
① 市場に直結した部門別採算制度の確立、
② 経営者意識を持つ人材の育成、
③ 全員参加経営の実現とされている。
経営の効率化のために、アメーバー経営を採用しようとする経営者は数多くいると思われるが、岡元社長のように、その入り口が社員のリストラをしないためであるというのは、あまりないかもしれない。
きもの市場が縮小していく中、このまま事業承継を行えば、他の同業者と同じくリストラをすることになるのではないかという危機感が、岡元社長を鼓舞したというお話はたいへん興味深かった。
また、1983 年「きもの業界の常識は消費者にとって非常識」を正すチャレンジで、アフターケアを事業化された信念、業界の反対や、7 年間続いた赤字経営にも負けず、きもののアフターケアを普及されたことに敬服する。
当初、業界ではきもののアフターケアを行うことにより、縮小するきもの市場において、きものがより売れなくなるという懸念があったようだが、きもののアフターケアを普及させることにより、きもの人口の増加に繋がる、すなわち新しい需要を創造したことは興味深い。
そして、その昔は職人に頼っていたきものの工程を工場内ですべて行えるようにし、納期を短縮することに成功するなど、お客さま本位の姿勢にもブレがない。
その後も、水で洗える正絹「ふるるん」を市場に送り出す、「みどりまゆ特産化+ブランド化」など、さまざまな挑戦を続けている。
さらに、障害者や女性の活用を積極的に行っている。岡元社長曰く、「区別はするけど差別はしない。」である。
障害者雇用においては、「障害者支援委員会」を設置し、少数の専門家ではなく、大勢の素人である社員が同じく社員である障害者を支える社内システムを構築している。これにより社員の意識啓発ともなるとのことである。2016 年 7 月現在で、実雇用率 13.75%となっている。
女性活用としては、男女格差のない働きやすい職場環境を整えるようにしており、女性管理職は部長 6 名中 3 名、課長 10 名中 6 名が女性とのことである。
このように社員がやりがいを持ち働ける環境造りも、会社の永続性に寄与していると考えられる。

<まとめ>
今回見学させていただいた 3 社はみな長らく続いてきた企業といえるが、3 社に共通しているのは、専門領域を専業化し、平準化しているということにあると考えられる。
企業は、個人のみの能力によって支えようとすれば永続することが難しくなると考えられる。
これら 3 社は、専門領域を専業化することにより、職人でない社員がそれぞれの仕事を全うすることにより、ひとつのものを作り出している。
社員のやりがいや自立を考えているので、社員もその家族も幸せを感じて働けるように思う。

今回の夏合宿で、いい会社を見学できたことに感謝しております。

   

  





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